ベッドタウンで見る新しい野の花 カタバミ

カタバミ(片喰)は世界に広がる雑草で野の花でもあります。日本にも昔から生えていたようですが、外来種も色々な時期に渡来し定着しているようです。なんといっても雑草なので、季節の小さな彩をちょっぴり感じても、花として飾ることはない。そんな植物のひとつとして現在までただただ当たり前に人と共にいる植物です。

たぶんそんなに前ではないと思うのですが、これも園芸で楽しもうという流れが来て、販売用に育成され、品種改良され、商品流通し、庭やフラワーポットで咲く花になった。

さらに海外に珍しい種を求め持ち込まれ、交配で新たな種が次々と誕生する。そうして、かつての野草が、いまや人気の園芸花オキザリスに生まれ変わりました。

野のカタバミは場所をどんどん奪われながらも昔と変わらず咲き続けています。野にはカタバミ、庭やフラワーポットにはオキザリスと住み分けが生じました。
ところが、オキザリスも元はたくましい雑草ですから閉鎖的な場所でじっとしてはいません。公園の隅にちょこっと植えられれば、周りの草地や林の中に広がっていきます。何年も繰り返すうちに先祖帰りして、すっかり野草、つまり新しいカタバミになる。そんな姿が見られます。

オキザリスばかりではなく、園芸目的で入ってきた花が野に逸出した花。貨物などに付着して侵入し、いつのまにか咲きだした新参の野草。それらが在来の野草と混じって新たな自然が作られる。今はそんな時代です。

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